六爻断易は占術の中では大宗(ひとつの大事な占術の方法)になります。 京房筮法は、約1000年程前に始まり、今日まで発展してきました。六爻の起卦は簡単で、そして判断の精度が高いことにより、たくさんの人に広まりました。しかし六爻の愛好者は皆、「難しい・・・!」という認識を持っています。六爻の難しいところは、 そのシステムにあります。判断する方法が多いだけでなく、口訣や理論が混雑しているために、判断方法によっては違う結論になってしまいます。そのために多くの人は、勉強中にわからなくなってしまうのです。その原因は一流派の教えが伝わった のではなく、一代一代ごとに修正したり、改善したりして、進歩してきたからなのです。これまでの六爻は、その時代の人の思想や環境に影響され、内容はかなり煩雑になってきました。したがって、現代の勉強者は、どこから勉強してよいのか非常にわかりにくくなっています。河の水源は一箇所であって、その水は一番きれいなものです。これと同じで、すべての占術は占術理論を形成した 初期はシンプルであり、はっきりしていました。水源を捜し求めるように、六爻も複雑な理論を捨てて、きちんと理解できる形に六爻を解説して、易卦と六爻の 真髄が認識できるように本書を書きました。それが六爻断易です。
本書の第3章までは、六爻を勉強する為の基礎知識を書きましたが、一般的な六爻の本には、書かれていない内容だと思います。もしあなたが長年六爻を勉強してきた方なら、第3章までに、新しい考え方を知ることとなるでしょう。
第4章は六爻断易に於けるひとつの秘伝(扶抑六爻)の判断方法を紹介します。この方法の一番の特徴は、理論の システムが理解しやすくなっており、実践判断の時、手順がわかりやすく、的中率も高いことです。特に初心者なら、入門する六爻としては一番良い判断方法だ と思います。
第5章と第6章は、応用と実践です。これらの実践例は最近の私の実践例で、占例集としては保存価値のあるものだと思っています。あなたの研究の助けになれば幸いです。
しかし、すべての占術は一冊の本を読んでも奥儀まで究めることはできません。特に六爻断易の場合、たくさんの 実践経験とその技巧は、本では表わしにくいものがあります。これは「言不尽意」と言い、言葉では自分の意思は100%説明できないという意味です。占術と いう玄学は、もともと理解しにくいものですので、言葉で解説するのには限度があります。本に書ききれないことや、理解しにくいところがあるかもしれませ ん。そのため、この本以外に六爻断易の交流の場が必要だと感じています。本書に書いていないことや、深く書けなかったことは、いずれ順々に解説をしていきたいと思っております。
第1章 六爻断易基礎知識
第2章 立卦の方法
第3章 六爻中の象意
第4章 六爻断易即断法
第5章 分類占
第6章 実践卦例題50例