六爻断易は、漢代の京房が作り出し現代に至っています。それは「強者は吉で弱者は凶」という一元的な思想の上に成り立っています。占断の基本は大変単純であって、どちらかというと極端な考え方なのです。六爻断易の名著は「ト筮正宗」「易房」「易隠」など少なくありませんが、他のほとんどが未完成であり、誤りも多く伝わっています。日本で紹介されている大量に神殺を使う判断方法などは、期待するようには結果を出してくれず、却って六爻断易は当たらない占いと学ぶのを辞めてしまう結果になっています。六爻断易扶抑法は、卦宮を使うことによって、大変簡単にそして正確に判断することができます。
例題ある男性のその日の偏財運を鑑定
癸未年 辛酉月 己亥日(辰巳空亡
地天泰 不変卦
子孫 酉金 、、(応)
妻財 亥水 、、
兄弟 丑土 、、
兄弟 辰土 、 (世)
官鬼 寅木 、
妻財 子水 、
<一般断易で判断した場合> 五爻の亥水財を用神とします。日辰の助けを得て力があります。 原神酉金も月令を得て強旺となり用神を生じています。 忌神兄弟辰と丑は動いていず、年月日の助力もなく、弱にして力がありません。
したがって財が得られます。
しかし結果は、その日の午後に、約1000元負けてしまいました。そこで占い師は外れた原因として卦を判断するのに他の方法を取り入れます。例えば、亥日と亥財は自刑であるとか、六神朱雀が財に望んでいたので不吉など‥。そしてどれが正しい判断なのか、わからなくなってしまいます。
<六爻断易扶抑法で判断した場合>
まず、卦宮の旺衰を判断します。 地天泰は坤宮の卦。年の未土は坤宮と同じ土だが燥土のため助けなし。月の酉金と坤は泄、日の亥水と剋のため、この卦は従弱格(弱すぎ)とする。 従弱格ですので世爻に弱めるものが来れば喜神になりますが、この場合は丑で坤宮と同じ湿土です。したがって世爻の辰は忌神で、応爻酉金は喜神、用神の五爻亥水は忌神です。亥水は日辰の助けを得て強くなるので、この日は財を破ると判断できます。
六爻断易扶抑法はこのように簡単で正確にできるのです。(六爻断易 子之巻より)